時間をかけて仕上げる昔ながらの醤油造り
当店の醤油はゆっくりと熟成させることで塩角の取れた丸みのある味わいになります。
創業から受け継がれた製法で熟成させることで生まれる昔ながらの醤油
醤油や味噌は料理の基本となる味です。
また、地域性がありその種類からさまざまな分類がなされています。
醤油のルーツは味噌同様『 醤 ひしお 』とされています。
古来より、食物の保存には塩漬けが主流でした。
食物にある割合の食塩を加えて冷暗所で塩蔵すると酵素や微生物の影響で発酵が進み、 濃厚なうま味成分を持つ液汁がしみ出しいてきます。これが『醤』です。
日本では魚の内臓 を塩漬けにしてできる魚醤がありました。これは塩辛の原形のようなもので中国、朝鮮半島 を経て伝えられたとされています。
現存する『しょっつる』や『イカナゴ醤油』などは魚醤の流れをくむものです。
醤油の起源は一般には鎌倉時代の僧覚心が宋から伝えたとされる径山寺味噌(きんざ
んじみそ)と言われています。これは中国で醤が味噌へと発展したもので、日本の溜まり醤油のはじまりとされているのです。
醤油誕生の伝説的逸話として最も有名なのは虚無僧の開祖として知られる覚心上人にまつ わる話です。上人が自分が住職としてつとめる和歌山県の西方寺(現在の興国寺)の近くの 湯浅、由良、高家、有田一帯の山村漁村の人々に、中国の径山寺で学んだおいしい醤の作り方を教えてまわりました。
これは大豆に小麦と塩を加え、季節野菜を漬け込んで米麹で発酵させた保存食です。俗に「径山寺味噌」と呼ばれるものです。この味噌を長い間使っていると出てくる上澄みの汁が「溜まり」で今の醤油の元祖であると言われています。
おいしい醤(味噌)の上澄みを捨ててしまうのはもったいないと、野菜や魚などの煮付けの味付けに使ったのがどうやら最初のようです。こうして日本でもっとも古い溜まり醤油(醤、味噌)である「径山寺味噌」のおいしい汁はあっという間に周辺の村に広まっていきました。
やがて天正年間( 1580 年ごろ)に湯浅の「玉井醤」が味噌製油業をはじめ、天保年間( 1644 年)に同じく湯浅の浜口儀兵衛が房州の銚子に渡って醤油の醸造を開始するに至りました。
これにより日本の醤油の歴史は本科雨滴に幕開けを迎えるのです。
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